みなさん久しぶり、ナタリ(@denkikayou)です。
今回はヤマハのシンセサイザーDX7IIDの内蔵電池を交換したので紹介しようと思います。
YAMAHA DX7IIDの電池交換
DX7IIDは、FM音源を採用したヤマハの古いシンセサイザーです。本体には電源を切っても音色や設定を保存しておくためのバッテリーが内蔵されているんですが、そのバッテリーも時間とともに消耗して切れてしまいます。うちにあるDX7もずいぶん前にバッテリー切れして以来そのままの状態なんで、画面に変な文字が出るし音もまともに出ません。
せっかく所有しているんだからちゃんと動くようにしておこうということで電池交換をすることに。
ネットで検索すると、DX7の電池交換の話題はたくさん見つかり、自分で交換している人がたくさんいるのがわかります。しかしこのDX7の内蔵電池って基盤に直接半田付けされていている為、多くの人は電池交換というより、電池ホルダーを新たに取り付ける改造を行っているんですよね。
ナタリも交換用の電池が見つからず一時は電池ホルダーの取り付けを考えたんですが、やっぱり改造はせずに現状を維持したいと思いました。
確かに電池ホルダーを取り付ければ次回の交換がラクかもしれません。しかし、1度交換すればたぶん10年以上持つと思うので、そんな先のことは考える必要ないかなと。それに何より音色データ保存用の電池ですから、何かの拍子で電池が脱落したり、接触不良があったらデータはパァです。だからナタリは改造ではなく電池交換でいくことにします。
電池交換の準備
電池交換に必要なモノ
- 音色データのバックアップ
- 交換用電池(端子付きのCR2032)
- 半田付けに必要な工具、ドライバーなどの工具
- 半田付けのスキル
- 覚悟と思い切り
・音色データのバックアップ
今回ナタリの場合は、完全に電池切れしていたのでバックアップを取る必要はありませんでしたが、もしまだ電池切れてない場合は、電池交換で本体のデータは失われてしまいます。音色データを消したくない場合は、あらかじめバックアップを取る必要がありますので注意しましょう。
・交換用電池
交換用電池は端子が直接スポット溶接されているちょっと特殊なモノで、札幌の電気部品屋さんでは手に入れることが出来ませんでした。しかしamazonで探してみるとピッタリのものが見つかりました。電池自体はふつうのCR2032ですが、端子付きということでちょっと高いです。そこは仕方ないですね。
・必要な工具
DX7本体を分解するためにはプラスドライバーだけあればOK。問題は半田付けする為の工具だと思いますが、これも普通のモノでOKです。もし持ってないならこんなので充分でしょう。ナタリは半田ごて持っているので、はんだ吸取線だけ購入しました。今回3mm幅のモノにしたけど、たぶん2mmとかの方が使いやすかったかも。
・スキル
自分で交換するワケですから、それなりのスキルがあるに超したことはありません。ただそれほど難しいモノではないので、よほど苦手な人でなければ大丈夫でしょう。本体はネジを外していくだけで分解出来るし、半田ゴテは技術の授業でやった半田ゴテさばきで充分だと思います。全くの初心者だとキツイのかなぁ?大丈夫だと思うけど・・
・覚悟と思い切り
これはそのまま。当然こういった作業は自己責任においてやることです。壊してしまう可能性を覚悟しつつ、よしやるぞ!という思い切りが大事w
もし自信がないなら、素直に修理に出した方が良いでしょう。
交換作業
まずは本体を裏返しにしてネジを外していきます。全部外すと裏蓋をはずすことができます。交換する電池が付いている基盤は赤枠の基盤です。
電池は基盤の裏に付いていますので基盤を本体から外す必要があります。これもネジを外すだけで大丈夫です。ただ、本体の背面(MIDI端子やフットスイッチのある面)からもネジで止まっていますのでキッチリ全部外します。電池は赤枠で囲った裏にあります。
裏返して見るとこれが交換対象の電池になります。
電池は裏から半田吸取線を使って半田を除去します。矢印の箇所が電池の止まっているところになります。ただ何度吸い取ってもなかなか電池が外れなかったので、ピンセットで裏から電池を引っ張りながらながら外しました。
電池を外した後に再度吸取線を使って残った半田を除去しました。今度はキレイに吸い取れました。特に穴を広げる加工などせずに新しい電池の端子もスムーズに入りました。
表側はこんな感じです。
古い電池(左)と新しい電池(右)端子の形状は違ってますが問題なし。新しいモノの方が質がよさそうです。端子の間隔もピッタリな感じで簡単に基盤に取り付けできました。
後は極性を確かめつつ半田付けするだけ。電池はいったんテープで留めて固定してから作業しました。矢印が交換した結果です。あまり上手ではないかもですが、まぁこんなもんで良しとします。
取り付け後はこんな感じ。もともと付いてた電池かってくらい自然な感じで交換完了したでしょw
後は逆の手順で組み立てて正しく作動するか確認するだけ。カートリッジから音色データを本体にコピーしていったん電源を切り、再度電源投入して確認しましたが音色データはしっかり保持されていました。これで今回の電池交換は無事完了しました。
変な文字の表示も直り音も正しく出るようになりました。
まとめ
今回は問題なく電池交換出来て良かったです。これでまた音色エディットやっちゃおっかなぁーなんて気にもなるかもw
今はソフトシンセばかりで、なかなかハードウェア音源をならすこともなくなってしまいましたが、DX7IIDは手放すつもりはないので、ちゃんと演奏できる状態を維持しておかないとだめだなぁと改めて思いました。
もし電池切れでならなくなったシンセがあるなら、自分で直してみるのも良いものですよ。自己責任でということになってしまいますが、興味があればチャレンジしてみてください。